初めてのはんだリフロー~検討編~

電子工作

今まで何とか手はんだではんだ付けをしていたのだが、チップ部品(特にICみたいに足が多いやつ)を手はんだするのは大変だし、大体一発でうまくいかないし、チップ部品の中にはリフロー前提のピン配置だったりするものがあるので、何とか安くできないかなと検討することに。結果割と良い方法を見つけられたので共有します。

リフローとは

リフロー装置を選ぶうえで考慮すべきなのは
①温度ムラが少ないこと…温度ムラが大きいと、真ん中はコゲてるのに端のはんだが溶けてないということになるので
②最高到達温度が高いこと…はんだペーストにより、何度まで上げれば溶けるのかというのは変わるのですが、250℃まで上がると安心という印象。
③温度の上昇が速いこと…はんだペーストにもよるのですが、基本的にリフローは150℃~200℃の余熱ステージと240℃付近の加熱ステージがあります。温度の上昇が遅いと加熱ステージが長くなって基板や部品にダメージを与えかねないので、サッと加熱してサッと冷却するのが理想です。基本的にはW数が大きい方が速く、加熱する面積が大きい方が遅いです。

リフロー法の部品耐熱温度プロファイル
実装時の部品耐熱温度プロファイル(https://www.ablic.com/jp/semicon/support/package/solder-temp-profile/)

自作リフロー装置

ホットプレートを改造

おそらく自作リフロー界隈で一番多いであろう方法。比較的安価なホットプレートを購入して、基板表面の温度を計測しながらリフローをする方法。温度・または出力を調整できるものの方が扱いやすく、W数が高くて大きさが小さいものの方が温度上昇が速いので、お財布との相談といったところ。

メリット
・安価
・比較的大きな基板でもリフロー可能

デメリット
・常に温度を計測していないといけない(温度計必須)
・片面しか実装できない
・ホットプレートのサーミスタによって最高温度が低い場合がある
・ホットプレートによっては表面の温度ムラが大きいので、溶け方に差が出る
・ホットプレートは大きいので場所を取りがち
・間違って料理に使ってはいけない

参考↓

ステンシルとホットプレートで簡単リフローの方法

オーブントースターを改造

工業用のリフローの方式に近い、オーブントースターを使ったリフロー方法。特徴としては、基板の両面を同時に温められるので、両面実装ができるとのこと。ただ、熱の伝わり方を均一にしないといけないため、中の空気を対流させるコンベクションオーブンというものを使うとより成功度があがるらしい。

メリット
・両面実装が可能
・温度のプロファイルが完成すれば、自動でリフローができる

デメリット
・やや高価
・温度管理のためなどの改造やマイコンなどの追加購入が必須
・装置が大きい
・間違って料理に使ってはいけない

参考↓

個人用リフロー装置を購入する

中華通販サイト「Aliexpress」やAmazonなどで個人用リフロー装置が様々売っているが、あまりレビューが多くないので買ってみないとわからないという不安がある。
ただ、自作リフローの手間を考えると結構良さげな商品があるのでこちらも紹介。特に一番目に紹介するものは実際に購入してリフローに成功しているのでおススメのお墨付き。

恒温加熱台「ET-10」

100mmx100mmの加熱面積、320℃まで上がる性能、小型、比較的安価な上に3種類温度を設定することができるので、設定1に140℃、設定2に210℃などと設定しておいて、切り替えることで素早く温度を切り替えることができる(切替自体は手動なので、時間を見計らって切り替える)。220V/110V、USプラグ/EUプラグなどの種類があるため、日本用ではUSプラグ&110Vであるかを確認すること。日本は100Vだが特に110Vでも使用には問題はなかった。USプラグは日本のコンセントと同じだが、ヒューズ用のピンがあるため、別途変換プラグか延長コードを用意すること。100mmx100mmは個人で基板発注する時に一番安価で注文できるサイズなので、使い勝手が良い。
なお、サイズが215mmx215mmになったET-20という製品もあるが、こちらは最高温度が200℃のようで、こちらでリフローができるかは不明。(部品外し用っぽい)

MECHANICインテリジェントデジタル定温PCB予熱プラットフォーム

USプラグ↓

American Mains Power Cable Lead / Cable, US plug to IEC C13 (kettle)  socket, 2M | eBay

加熱ステーション 200mmx200mm

Amazonでも見かけることのあるプレート式の加熱台で、200mmx200mmと大きめの基板でも対応可能。上記のET-20と違い、350℃まで上がるらしいので、リフローも問題なさそう。ただ温度上昇が遅いとの口コミもあるのが気になるところ。。。購入するときは110V、USプラグかを確認して購入すること。

アルミニウムLEDリムーバー加熱はんだ付けプラットフォーム

最近、Aliexpressでリフローで調べると検索に滅茶苦茶ひっかかる。Amazonでも見かけるようになったが、これのレビューを見たことがないので実力は未知数。説明もほとんどないのでわからないことだらけなのだが、Amazonの記載によると260±10℃らしいのでリフローに使える?ただ、サイズが120mmx70mmと中途半端なこと、それよりも大きいor小さいサイズもあるが、220V仕様なのか110V仕様なのか不明なのが多いことから購入をしていない。いずれにせよ、これをリフロー用にするには温度計、AC電源スイッチング回路、制御用マイコンはいるはず。

Mhp30 ミニホットプレート

Twitterでもたまに見る、30mmx30mmのミニミニホットプレート。電源がUSB Type-C PDなので国の電圧事情は関係ない、その代わりPD 20V 3Aが必要そう。
性能は悪くはなさそうなのだが、とにかく面積が狭いので、超小型基板か部品外し用と思われる。Twitterで見かけたときは1万円ちょっとだったのだが今(2022/5)見るとAmazonで17,000円、Aliexpressで13,000円程度…円安…

T962リフロー装置180×235MM 800W

ザ・個人用リフロー装置という見た目。レビューもいくつかある製品だが、温度センサの制度が悪いとか、100Vだと温度上昇が遅いとかで改造必須と言われていたりするので、コスト以上の価値があるのかは謎。ただ、両面実装をするのであればこれを使うか、オーブンを改造するかなので、どっちが楽(安い)かというところ。

結論

基本的に片面実装が多いと思われるので、なるべくお手軽なホットプレート式が良いと思います。
温度に関してはちゃんと見ていればそこまで失敗することもすくないので、市販のホットプレートを使用するか 恒温加熱台「ET-10」を買うのが良いと思います。「ET-10」を実際に使ったレビューは次回の記事で。

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